ARCHITECTMADE #2
1950年代、多くのデンマーク人建築家の中でも、世界にその名を広めたのがフィン・ユール(1912–1989)です。 彼は、当時主流だった直線的で実用性を重んじる北欧デザインに対し、やわらかな曲線と彫刻のようなフォルムを取り入れ、家具を単なる道具ではなく空間における“芸術的存在”として捉えました。人体の曲線や彫刻のフォルムから着想を得た滑らかなライン、そして柔らかな立体感。それらは人の感覚に寄り添い心地よさと美しさを両立させています。 代表作の《45 Chair》《Pelican Chair》《Chieftain Chair》は、その象徴的な作品です。座と背を軽やかに分離させた構造や浮かぶようなアームのデザイン、木材とファブリックのコントラストによる有機的な表情。どの作品にも“機能を超えた美”が宿っています。チーフテンチェアに見られるように、ユールの作品は安定した構造の上に独自のフォルムが構築され、その完成度の高さから“家具の彫刻家”とも称されました。彼は使いやすさだけでなく「人がどう感じるか」という視点を大切にし、家具に人間らしい温もりと自由な造形を与えました。それまでの理性的で整然としたデンマークデザインに感性と詩的な表現をもたらしたのです。こうしてフィン・ユールは北欧家具に“感性の時代”を切り拓き、後のデザイナーたちにも大きな影響を与えました。ARCHITECTMADEが復刻するフィン・ユールのコレクションもその哲学を現代に受け継いでいます。木の質感や流れるような曲線、光によって変化する陰影まで細部に至るまで丁寧に再現。彼が目指した「見る人の感情に訴えるデザイン」が現代の暮らしの中に静かに息づいています。家具と同様に彼のオブジェは“日常の中の芸術品”として存在し続けているのです。 ここでは、ARCHITECTMADEが復刻している代表的な3プロダクトを紹介します。 FJ Bowl(エフジェイ ボウル)1951年にデザインされたチーク材のボウル。一枚の無垢材から削り出され、縁の厚みと内側のカーブが生み出す陰影が美しく、光の当たり方で印象が変わります。果物や小物を入れる実用品としても、置くだけで空間を引き締めるオブジェとしても存在感を放つ、フィン・ユールらしい造形美が感じられる一品です。 FJ Essence(エフジェイ エッセンス)フィン・ユールがデザインしたティーポットとティーカップのシリーズ。シンプルな円形を基調としながらも、持ち手や注ぎ口に見られるわずかな曲線がどこか有機的で、建築家らしいバランス感覚が光ります。厚みのある磁器の質感は手に心地よく、使うたびに穏やかな時間を感じさせてくれます。日常の中に“静かな彫刻”を置くようなユールの美学が息づくテーブルウェアです。 FJ Tray(エフジェイ トレイ)チークとメープル、2種類の木を組み合わせたラウンドトレイ。縁に向かってなだらかに立ち上がるフォルムは美しく機能的。異なる木の色合いが自然なコントラストを描き、空間に温かみを添えます。お茶やお菓子を運ぶトレイとしてはもちろん、アクセサリーや小物を飾るベースとしても活躍。毎日の所作を少し特別にしてくれるデザインです。 ARCHITECTMADEのブランドページはこちらから

















